<前編のあらすじ>

長年「夫の扶養の範囲」で働いてきた佐藤洋子さん(67歳・仮名)。勤務時間を調整し、収入が一定額を超えないよう働き方を制限してきました。

しかし夫・健一さんの退職後、頼みの年金収入は月22万円。資産は預貯金と保険の解約返戻金で合計700万円ほどしかなく、預金残高は確実に減っていく状況に夫婦は不安を募らせます。

●前編:「夫の扶養の範囲内で」が口ぐせだったパート主婦が、夫の退職後に突然襲われた老後不安の正体

それでも減り続ける預金残高

結局、アルバイトを続けることにしました。

しかし、それでも預金残高は目に見えて減っていきます。

健一さんも元の勤務先から頼まれたときだけ現場仕事を手伝っていますが、毎月安定した収入があるわけではありません。

洋子さんは何度も言いました。

「仕事がないなら、何かアルバイトでもしたら?」

しかし健一さんはなかなか動かず、夫婦喧嘩になることも増えました。

将来への不安、減っていく資産、そして思うように動いてくれない夫への不満。

何をどうすれば良いのかわからないまま、時間だけが過ぎていったのです。

老後に必要なのは「見える化」と将来設計

総務省の家計調査によれば、高齢夫婦の無職世帯では年金などの実収入だけでは毎月不足が生じる傾向があり、収入は約25.5万円に対し実支出は29.7万円と、約4.2万円の赤字となっています。

不足分は預貯金の取り崩しなどで補っているのが現実です。

しかし、これはあくまで平均値であり、重要なのは「自分はどうなのか?」を知ることです。

まずは毎月の収入と支出を正確に把握し、何にいくら使っているのか、毎月いくら不足しているのか、資産はどれだけあるのかを把握、このまま生活していっても家計は破綻しないのかを考えてみる必要があります。

これらを確認しなければ、対策を考えることもできません。

また、持ち家であれば将来的な修繕費やリフォーム費用も考慮する必要があります。実際には、統計上の平均以上に老後資金が必要になる家庭も少なくありません。

現状を把握することで、

「あと毎月3万円収入が増えれば安心できる」

「この支出は削減できそうだ」

という具体的な対策も見えてきます。

そして今回の洋子さんのように、現役時代から「扶養の範囲で」と働き方を制限してきた人も少なくありません。