企業年金とiDeCoは両方使える、自分に合った選択肢を
井出 次に企業年金制度です。会社が運営する制度ですので、運営コストは会社が支払います。企業年金制度には、確定給付企業年金(DB)と企業型確定拠出年金(企業型DC)の2つがあります。DBは会社が掛金を拠出し、決められた予定利率で運用し、その運用責任を持ちます。企業型DCは会社が掛金を拠出しますが、運用は従業員自らが行う制度です。制度の導入は会社ごとに違いますので両方ある会社、片方のみの会社、全くない会社とまちまちです。
蘭丸 DBも企業型DCも、iDeCoと併用が可能でしたよね?
井出 そのとおり。会社にDBやDCがある場合は、iDeCoの掛金額にも注意が必要です。その場合、iDeCoと共通で掛金限度枠を使っていくことになり、今の上限は5万5000円です(2026年4月時点)。この枠で会社の制度活用して資産形成ができると考えると分かりやすいでしょう。企業年金がない場合は5万5000円の全額がiDeCoで使えます。企業年金がある人の場合は、iDeCoの掛金限度額がその分、減ってしまうと考えるのではなく、自分がiDeCoで行うはずだった5万5000円の枠を会社が代わりにDBやDCで拠出してくれる、ついでに口座管理料などの運営コストも会社が持ってくれると考えると良いのではないでしょうか。なお、この上限額は2026年12月の法改正で6万2000円にアップします(2027年1月口座引き落とし分から適用予定)。
蘭丸 企業年金制度が会社にあると、社内セミナーやWebなどで投資教育も受けられますしね。
米子 話題のNISAも使ってみたいです。資産形成をNISAやiDeCoで考えて、お話しいただいた会社の優遇制度があるなら併せて活用する、相互補完すると考えるとお得な気がします。自分に合った方法で始めてみたいと思いました。
井出 ただ、多くの人がiDeCoの優遇措置を使い切れていない、あるいは十分に理解できてないのが現状ですね。
●iDeCoの優遇措置を使い切れていないとは…中編「始める前に知っておきたいiDeCoのメリット、デメリット」で詳細を解説している。
