配当性向70%以上を維持 資本効率も向上で株価浮上を目指す
最後に気になる株主還元を押さえておきましょう。奥村組は前回の中期経営計画(23年3月期~25年3月期)で還元方針を引き上げました。従来は総還元性向50%以上かつ配当性向30%以上としていたところ、配当性向で70%以上とし、さらに下限配当としてDOE(自己資本配当率)2%を設定します。
この方針は現在の中期経営計画(26年3月期~28年3月期)にも引き継がれており(※)、当面は株主還元を厚めに実施する見通しです。3年間では290億円を投じ、自己資本を抑制することでROEの向上に貢献します。
※配当性向は一過性の特殊要因(為替予約評価損益)による影響を除く純利益ベースに修正
【株主還元の推移(20年3月期~26年3月期)】
投資と株主還元の総額は860億円を見込みますが、対して期間中の営業キャッシュフローは410億円の想定です。不足分は資産の売却および資金調達でまかなう計画であり、政策保有株式の売却や有利子負債の活用を進めます。保有株式の売却や負債の活用は、いずれも資本効率を高める効果に期待できます。
利益率の回復は道半ばですが、株主還元の厚さと中期投資の方向性は明確です。中東リスクによる調整が一時的なものにとどまるなら、業績改善の進捗とともに株価が再び上値を試す展開もあるでしょう。
