今後の注目材料
国内:消費税減税の行方
衆院選において与党が消費税減税を公約に掲げて勝利した経緯から、財務省内にも「やらざるを得ない」という声が出てきていましたが、足元では再びやらない方向へと揺り戻している印象です。ただし少なくとも言えることは、サービスCPIが前年比1.4〜1.5%程度での推移にとどまっており、物価の実力として2%を維持することは現状難しいということです。日銀が望むような賃金と物価の好循環メカニズムが定着するとは見ておらず、物価の実力不足はいずれ露呈するだろうと思っています。欧米型の食料・エネルギーを除いたコアインフレでも1%台から抜け出せていない現実がそれを示しています。
国内:上場企業の増益トレンド
上場企業については、2026年3月期で5年連続の増益が見込まれます。日銀短観ベースでは6年連続となれば過去最長です。円安の寄与もありますが、部門ごとの経営資源の集中投下、M&Aや設備投資へ分厚い現預金の戦略的な活用などが少なからず貢献していると思います。
海外:イラン情勢とホルムズ海峡
イランについては、合理的に考えれば最終的には白旗を掲げることになるだろうと見ています。指導部の居所まで特定されて攻撃を受けており、戦力差も歴然としています。イランも守るべき国体を条件として交渉の場を設けることができれば、一定の決着は可能なはずです。ただし現時点ではそこまでの動きは見られず、ホルムズ海峡をめぐる情勢は依然として流動的です。早期決着を前提に申し上げてきた部分もありますが、長期化した場合はWTIが80〜100ドル以上で高止まりし、利下げのさらなる困難をもたらすことになります。
海外:中間選挙とトランプ政権の足元
中間選挙でトランプ大統領が苦しい状況にあるという見方が広がっています。ワイルズ首席補佐官がエネルギー対策を推進しようとしているほか、ベッセント財務長官がロシア産原油の1カ月間の輸入を容認するなど、ガソリン価格引き下げに向けた動きが出ています。負ければ弾劾裁判というシナリオもあり、ドル売り材料・リスクオフの要因として引き続き注視が必要です。
海外:日中関係とウクライナ
日中関係については、中国が軍民両用品の規制を強化してきた点は予想外でした。11月のAPECにあわせた日中首脳会談・関係改善というシナリオはあるものの、それまでの間にどこまで問題が交通整理できるかが課題です。ウクライナの和平協議については、インドによるロシア産原油輸入の容認もあってロシアが一息ついている面があり、戦争はしばらく続きそうです。

マーケットコンシェルジュ 代表 上野泰也 氏