金融市場の見通し

米国株

一言でいえば、現在は調整局面にあります。FRBの利下げ観測が維持される程度の悪いニュースを求めながら高値圏を推移してきましたが、AIブームの持続性への疑念による不安定化に加え、今回のイラン情勢によって利下げ観測が消えかねないとの懸念も出ています。プライベートクレジットをめぐる問題や、中間選挙でのトランプ氏の敗北懸念も米国株の売り材料となり得ます。期待先行で上昇してきた分の反動も含め、状況によっては急落リスクをはらんだ調整含みの展開と警戒して見ています。

日本株

日経平均株価6万円が一つの目標として語られてきましたが、5万9000円台でUターンし、調整局面に入っています。ただし、年初の大発会の寄り付きが5万1000円程度でしたから、貯金がある状態での相場です。干支の格言「馬尻下がり」が示す通り、全体として下がりやすい傾向にあるという認識です。

需給面では自社株買いや個人マネーの流入により底堅さはありますが、上げ相場しか知らない若い投資家層がどこかでその認識を改めるまでは需給の支えが続きやすく、その点は留意が必要です。

日本国債

地合いは改善しつつあります。日銀の利上げ懸念や積極財政による増発懸念から全面的に逆風が吹いていた時期から、高市首相が利上げにブレーキをかける姿勢を示し始め、物価の実力不足への認識も出てきた中で、地合いが改善してきました。私の見方では10年債2.2%前後で買いが入って押し戻される展開が数週間続いており、また5年債も1.6%超は今後5年間の政策金利平均として過剰に売られすぎと判断しています。不安定な地合いではあるものの、これらのレベルでは購入していけば勝てるのではないかと考えています。

ドル円

日米金利差縮小を背景に、今年はドル安・円高方向という年初に提示したベーシックな見方は変えていません。ただし、新NISAを通じた個人マネーの海外株式投資や、公的年金の海外資産比率の高さといった構造的な円高ブレーキ要因があり、政府が手当てをしなければ円高余地は限られます。年初の段階では145〜160円をコアレンジとして想定しており、150円前後には抵抗力があるとみていました。足元の原油高による貿易収支悪化も円高の余地を狭める要因です。