義母と嫁の連合

「夜泣きをしている美亜を寝かしつけたことはあるの?」

「……いやそういうのはないよ。でもそういうのは俺がやるべきことじゃないっていうか、俺は万全の状態で仕事をして2人を養わないといけないんだしさ」

「だから夜泣きをしている美亜を佐都子さんに押しつけて寝ているのね?」

里英の言葉に実はあいまいに頷いた。

「だって俺が仕事をしないと家族は食っていけないんだ。それは間違ってないだろ?」

「じゃあ佐都子さんがいなくても子育てや家事はできるっていうの?」

「……いやそれは」

「佐都子さんの顔を見なさい。前と比べて明らかにやつれてしまってる。まともな睡眠時間も取れなくて、疲れがなかなか抜けなかったからでしょうね。そうでなくても産後は心も体も大変なの。もしこの状態が続けば、佐都子さんは倒れてしまうかもしれない。そうなったらあなたは仕事も家事も育児も1人でしないといけなくなる。それでも問題ないと思ってるってこと?」

里英の質問に実は答えられないでいた。

里英が力強く切り込んだあとに、佐都子も続ける。

「あなたが仕事を頑張ってくれてることは理解してる。本当にありがたいと思ってるの。でもね、私も同じように子育てや家事を頑張ってるの。2人で協力して美亜を育てていきたいと思ってる。あなたは仕事をしてるからそれで十分だと思ってるかもしれない。そういう家庭もあるかもしれないけど、私は今の暮らしが本当に大変なの。だからほんの少しでもいいから育児にも協力をしてほしいのよ」

「いや別に仕事だけで十分だとは思ってないけどさ……」

言い訳をする実だが、里英は許さなかった。

「だったらどうして飲み会に行ったりできるの? 佐都子さんの髪の毛だってこんなに傷んでるのに、どうして自分だけ美容院に行ったりできるの? どうして自分はしてよくて、佐都子さんは許されないの? 佐都子さんがずっと家に縛られて遊ぶこともできないでいるの、あなただって分かってるでしょう?」

「……それは確かにそう、だけど」

里英の詰め寄るような言葉の応酬に、実の声はどんどん小さくなっていった。佐都子は真面目な顔でそんな実を見つめた。