DC活用によりFWBを実現する3つのポイント

従業員のFWBを実現するDC活用とはどのようなものでしょうか。企業の主な役割は教育の実施と行動につながる器(制度)の整備です。ただし、これらの取り組みも容易ではありません。帝国データバンクの調査(2024年10月、全国2万7,000社対象)では、金融教育を認知している企業のうち実施に前向きなのは4社中1社程度にとどまっています。課題として「社員のニーズを満たすテーマの選定」「人材・時間などのリソース不足」などが挙がりました。

そこで企業が抱える課題を踏まえ、FWB実現のための3つのポイントを紹介します。第一は支援プログラムを4つのプロセスで考えることです。金融リテラシーは知識だけでなく応用面も重要なため、支援は「学ぶ・把握・相談・行動」のプロセスで設計することが肝要です。「把握」にはDC資産の把握や家計状況の認知促進が、「相談」には社内相談窓口の整備や活用促進が該当します。

第二は支援対象の設定です。全社員のニーズを満たす教育の提供は現実的ではなく、ターゲットを明確にすることが鍵となります。「仕事には熱心だが家計には無頓着で経済的リスクを抱えている層」など、ターゲットを絞ってプログラムを設計すると良いでしょう。

第三は支援対象へリーチする具体策の検討です。ミライ研の分析では、金融リテラシーが低い人ほど金融教育の受講経験や受講ニーズが顕著に低い一方で、DCや社内積立のような取り組みやすい会社制度はNISAよりも利用率が上位に来ています。つまり、金融リテラシーが低い層には会社制度の拡充と活用促進が第一歩として有効なのです。