NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの德永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。
NISAの活用が広がるなか、30〜50代の資産形成層に人気なのが、アメリカの成長企業に集中して投資する「米国大型グロース株」集中型ファンドです。今回は、値動きの大きさで注目を集める2本を比較し、今後のパフォーマンスという視点で検討します。
10銘柄に集中投資する米国超大型株ファンド
ともに10銘柄というファンドとしては最小レベルの銘柄群に厳選投資しているため、投資対象の株価の値動きがダイレクトにパフォーマンスに影響します。
これまで大型テクノロジー株式の代表銘柄である「FANG(フェイスブック=メタ・プラットフォームズ、アマゾン、ネットフリックス、グーグル=アルファベット)」とその周辺の大型テクノロジー銘柄に集中投資する「iFreeNEXT FANG+インデックス」が他を圧倒するパフォーマンスで注目を集めてきました。2018年1月に1万円で始まった基準価額は、7年9カ月後の2025年10月に約9倍となる8万7000円超に上昇しました。
2025年12月には「iFreeNEXT FANG+インデックス」の純資産総額が1兆円を突破し、インデックスファンドの中でも超大型ファンドの一つになりました。この成功を追いかけるように少数銘柄集中投資型のファンドが設定されましたが、「FANG+」とは異なる視点で構成された10銘柄の切り口で注目を集めたのが「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド(購入・換金手数料なし)(愛称:メガ10)」です。わずかな期間で純資産残高が500億円を超え、大型化に向かっているようにみえます。
ハイテク重視の「FANG+」、ヘルスケア・金融も組み込む「メガ10」
「iFreeNEXT FANG+インデックス」
米国経済を牽引する10銘柄で構成される株価指数「FANG+」に連動した投資成果をめざすファンドです。構成銘柄には、AI・半導体・クラウドの中核企業が並びます。指数を構成する10銘柄のうち、「FAANMG(メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン、ネットフリックス、マイクロソフト、アルファベット)」の6銘柄は原則組み入れます。残る4銘柄は「時価総額」(35%)、「1⽇平均売買⾼」(35%)、「直近12カ⽉株価売上⾼倍率」(15%)、「直近12カ⽉売上⾼成⻑率」(15%) の4指標を括弧内の⽐率で加重平均してランキング化し、その上位4銘柄を指数構成銘柄にしています。構成銘柄は3カ月ごと(3・6・9・12月)に見直し、2025年12月にAI関連で注目度が高いパランティア・テクノロジーズが、2026年3月に半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーが新規に採用されました。この他はエヌビディア、ブロードコムが構成銘柄になっています。
特徴はテーマ感応度の高さ。資金が成長株に向かう局面では、指数以上に上昇する一方、調整局面では急な下落も起こりやすいです。
「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド」
米国大型企業で構成された新指数Solactive US Growth Mega 10 Select インデックスに連動する投資成果をめざすファンドです。米国市場に上場するグロース(成長)株のうち、原則として時価総額上位10銘柄を選定し、等金額で投資します。年4回(3・6・9・12月)、構成銘柄を見直し、等金額となるよう構成比率の調整(リバランス)を行います。2026年3月末時点の組み入れ企業は、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、イーライリリー、エヌビディア、マスターカード、ビザ、アマゾン、ブロードコム、テスラ、マイクロソフトになっています。
「FANG+」が投資対象を「⼀般消費財・サービス」、「テクノロジー」、「メディア・コミュニケーション」の3セクターに限定していることに対し、「メガ10」は「グロース」と「時価総額」で選ぶため、S&P500の上位銘柄に近い構成になっています。「ヘルスケア」のイーライリリーや「金融」のマスターカード、ビザが組み入れられていることころが大きな違いです。FANG+と比較すると市場全体との連動性が高く、FANG+の特徴であるテクノロジーに集中するという“極端さ”は抑えられています。
