全世界的に株式市場が好調だった2025年、金価格も60%以上の上昇率を見せました。2026年に入ると金価格は急落と高騰を繰り返し、不安定な値動きが続いています。

こうした値動きの背景にある金の需要はどのように変化したのでしょうか?2025年の振り返りと、今後の展望についてご紹介します。

※本記事は1月29日に公開されたワールド・ゴールド・カウンシルの「ゴールド・デマンド・トレンド: 2025年第4四半期および通年」より一部を抜粋・編集しております。

金にとって画期的な1年 需要量と金価格がともに過去最高を記録

2025年、OTCを含む金の総需要が史上初めて5,000トンを超えました。金価格が1年間で過去最高値を53回も更新するという異例の上昇を記録したことと相まって、金額ベースでは過去に例のない5,550億米ドル(前年同期比45%増)に達しました。

投資の動きが活発化したことで、需要全体が増加しました。世界全体の金ETF運用残高は801トン増加し、過去2番目に好調な1年でした。また、金地金・金貨の購入も過去12年間で最高の水準に達しました。

安全な避難先や分散投資手段として、そして、価格動向も動機となり、1年間を通して投資意欲をかき立ててきました。

中央銀行による購入は863トンで、2025年に関するワールド ゴールド カウンシルの予測範囲の上限に達しました。購入は歴史的に見て高水準であり、また地理的にも広範囲に及んでいますが、直近ではそのペースが落ちてきています。

宝飾品需要の減少は、金価格が史上最高値を更新し続ける状況下で完全に予想されたことでした。ただし、金宝飾品に対する購入意欲は依然、非常にポジティブであり、そのことは18%増の1,720億米ドルという過去最高額に達した需要によっても証明されています。

家電製品分野での混乱に関わらず、テクノロジー需要はAI関連用途の拡大に支えられ、安定していました。

ハイライト

2025年1年間で、LBMA金価格午後決め値は過去最高記録を53回更新しました。
今第4四半期の平均価格は記録となる4,135米ドル/オンス(前年同期比55%増)で、年間平均も3,431米ドル/オンス(前年同期比44%増)の過去最高となりました。

年間の金供給量合計は1%の増加でした。初期の推計では、鉱山生産量は過去最高の3,672トンまでの漸増となりました。リサイクルは3%増の1,404トンで、米ドル建て金価格が67%上昇したわりには比較的緩やかな反応でした

需要も第4四半期としての記録を更新しました。四半期総需要の1,303トンも第4四半期としての最高記録であり、それを下支えしたのは大量のETFインフロー(175トン)と12年ぶりの高水準となった金地金・金貨購入(420トン)です。

今後の見通し
2026年を展望すると、地政学的緊張が継続することから、旺盛な金ETFへの流入と堅調な金地金・金貨需要を、中央銀行がさらに下支えする1年になると予想しています。金価格が高止まりする環境で、宝飾品は低迷が続くでしょう。

図1:世界全体で5,000トン/5,000億米ドルの壁を突破した金の年間需要

金の年間需要(トン、10億米ドル)*

出所: ICEベンチマーク・アドミニストレーション, メタルズ・フォーカス, リフィニティブGFMS, ワールド ゴールド カウンシル; 免責事項 *データは2025年12月31日現在。

金の供給と需要

表1:金のセクター別供給と需要(トン) 

注:これらの用語の説明は、注と定義を参照のこと。ダウンロードはhttps://www.gold.org/goldhub/data/gold-demand-by-country 出所:メタルズ・フォーカス、ICEベンチマーク・アドミニストレーション、ワールド ゴールド カウンシル

※レポートの続きはゴールド・デマンド・トレンド: 2025年第4四半期および通年よりご覧いただけます。