米最高裁判所がトランプ大統領によるいわゆる相互関税に対して、これを違憲とする判決を示しました。この為、第70回第2弾として「相互関税違憲判決、今後の為替相場のゆくえ」について解説します(スライド1)。
まず、これまでに報じられた内容をまとめておきます。最高裁が20日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、トランプ大統領が議会の承認を得ることなく発動した相互関税を違憲とする判決を示しました。大統領に関税を課す権限まで与えるものではないとの理由です。
ただ、これまでに受け取った税収の返還については何も示されていません。また、自動車や鉄鋼、アルミニウム製品など分野別の関税はその根拠が異なっているため今回の判決による影響は受けません。
なお、トランプ大統領は判決が下された後の記者会見で今後の法廷闘争が数年続くとの考えを示しており、返還しない構えを示唆しています(スライド2)。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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