苦戦は自動車の不振が影響 生産・販売の停滞が波及
大同特殊鋼の苦戦を掘り下げてみましょう。減速の理由の1つには自動車の不振があります。
自動車業界は大同特殊鋼の主要な需要先です。大同特殊鋼は売り上げの約3分の2を自動車関連が占めています。そして、売り上げの7割は国内であることから、業績は国内の自動車メーカーの影響を強く受ける傾向です。
しかし、国内の自動車生産は頭打ち感があります。主要3社(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車)は23年に大きく生産を増やしましたが、以降は停滞している状況です。海外も同様で、23年以降は生産が減少しています。
自動車販売に目を向けても、足元は勢いがありません。トヨタ自動車と日産自動車は今期(26年3月期)の販売見通しを期首予想から5万台減らしたほか、本田技研工業は同28万台減と下方修正しました。前期比では、主要3社のうち増加を見込むのはトヨタ自動車のみです。
【主な自動車メーカーの予想グローバル販売台数(26年3月期)】
・トヨタ自動車:975.0万台(前期比+4.1%)
・本田技研工業:334.0万台(同-10.1%)
・日産自動車:320.0万台(同-4.4%)
・スズキ:331.4万台(同+2.3%)
・マツダ:128.0万台(同-1.8%)
・SUBARU:92.0万台(同-1.7%)
・三菱自動車:83.0万台(同-1.4%)
※本田技研工業とスズキは四輪
※いずれも第3四半期時点の予想
出所:各社の決算説明会資料
自動車の不振は多くの素材メーカーに影を落としており、大同特殊鋼はその1社です。環境の悪化を受け、大同特殊鋼は25年10月、来期(27年3月期)の営業利益目標を600億円以上から400億円以上に下方修正しました。当面は成長の鈍化が懸念される状況です。
