利益は減少傾向、需要の低迷で収益悪化 今期も減益の見込み

先述のとおり、大同特殊鋼の株価は中長期的には停滞の傾向にあります。背景には業績の不振があるとみられます。

大同特殊鋼は足元では苦戦しています。売り上げは相対的に堅調ながら、利益は25年3月期までに2期連続で減少しました。実力ベースの損益を示す調整後営業利益は増加したものの、反発は限定的です。

大同特殊鋼の業績(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:大同特殊鋼 決算短信より著者作成
 

減益の主因は機能材料・磁性材料です。ステンレス鋼やチタンといった機能性材料を手掛ける事業ですが、利益は24年3月期に大きく落ち込みました。需要の低迷で売上数量が減少したほか、原料のニッケル市況下落に伴う評価替えといった一時的要因も重荷でした。翌25年3月期も利益は同水準にとどまっています。

大同特殊鋼の主要3事業のセグメント営業利益(2016年3月期~2025年3月期)
 

出所:大同特殊鋼 決算短信より著者作成
 

【セグメント情報(25年3月期)】

大同特殊鋼のセグメント情報(25年3月期)
 
出所:大同特殊鋼 決算短信
 

今期(26年3月期)も厳しい状況です。第3四半期までで売上収益は前年同期比0.9%減、営業利益は同8.5%減となりました。数量の減少や売値の下落が継続したほか、生産アロケーションの変更に伴う一時費用も生じ、利益が減少します。

通期では売上収益は前期並み、営業利益は前期比8.6%減となる見込みです。25年10月の公表分からは上振れる予想ながら、減益が続く計画となっています。なお、大同特殊鋼は26年2月に日本高周波鋼業を完全子会社化していますが、今期予想には含まれていません。

【大同特殊鋼の業績予想(26年3月期)】
・売上収益:5750億円(+0.0%)
・営業利益:360億円(-8.6%)
・調整後営業利益:369億円(-16.0%)
・純利益:255億円(-9.9%)
※()は前期比
※調整後営業利益…営業利益から特別損益に該当する項目、為替差損益、在庫評価損益、環境費用引当、固定資産税(平準化)、有給休暇引当を調整し算出
※同第3四半期時点における同社の予想

出所:大同特殊鋼 決算短信