すべての試験を終えた息子
年が明ければ試験まではあっという間。共通テストを受け、いくつかの私大に受かっていくつかの私大には落ちた。国公立の足切りも無事に通過し、2月末までに第一志望を含む出願をしていた全ての大学の受験を無事に終えた。
その日、和美は疲れた顔で、だが解放感にあふれた表情で帰ってきた武彦をねぎらった。
「お疲れ様。後は結果を待つだけだね」
「……うん。とりあえずやるだけのことはやったと思うし、試験でも自分なりにベストを尽くせた気がするよ」
そう言った武彦の表情には達成感と自信が見えた。和美には今回の試験を乗り越えた武彦が一回り大きくなったように見えた。
そして3月になり、第一志望の大学の合格発表を迎える。
当日有給を使って仕事を休んでいた和美は、携帯で合格発表を確認した武彦から合格の報告を受けた。
「やったよ! 合格してた!」
その言葉を聞いた瞬間に和美の目から涙がこぼれ落ちた。
「おめでとう……! 早く家に帰ってきて。今日はお祝いをしましょう……!」
「そうだね……! あ、でも父さんには俺から直接報告をするよ」
喜びから真面目なトーンに戻った武彦の言葉を聞き、和美は了承する。
「うん、そうね。それがいいと思うわ」
