3.リスク許容度は「困ること、嫌なこと」にならない範囲と考えよう
では、どのくらい分散投資すれば良いのでしょうか?投資の教科書では、ご自身のリスク許容度に応じて分散投資をしましょうという話が定番になります。考え方としてはわかりますが、具体的に自分のリスク許容度とは何で、それを実現するポートフォリオはこれだと確信できる人はほとんどいないと思います。特に株のパフォーマンスが好調で資産が膨らんだ時、「自分のリスク許容度を超えているのでは?」、「株を一部売って債券や預金にした方がいいの?」、という疑問が生じます。これは正解のない質問ですが、私はこの質問をいただくと一例として次のように答えています。
①リスクは家計全体で考える。生活防衛資金(収入が途絶えた場合に3ヶ月~6ヶ月生活できる額)を預金で確保した上で、当面使う予定のない資金や老後資金などの長期資金は、値動きの大きい資産(株式など)で運用して良い範疇と捉える。
②その上で、長期資金がどのくらい減少したら自分は困るのか・嫌な気持ちになる(気持ちが折れる)のかを考える。あくまで私の経験則だが、50%減少しても耐えられるならすべて株式相当のリスク商品で運用可能。25%以下なら株式は半分程度に抑える。そして嫌な気持ちになるかの判定の時に、失う資産額をイメージする。つまり、資産形成当初では保有資産額も少額であり、半分失っても金額はそれほどもないので平気だというように。
と、言っています。これでもイメージが湧かない、判断に迷う方には
③バランス型ファンド(複数の資産クラスに自動的に配分されているファンド)などと呼ばれる商品は、一般に3段階のリスク許容度に応じたファンドがパッケージ化されている。パッケージの説明を読んで腹落ちするものを選択する。もしくは投資予定期間に応じて(年齢が進むつれ)、株式比率を自動的に徐々に落としていくターゲットイヤー型のバランスファンドを購入する。
ことをお薦めしています。
リスク許容度の捉え方は、②によらず様々あります。たとえば、アンケートで年齢や資金の用途、投資への考え方などいくつか答えるとリスク許容度を判定して、適したポートフォリオが提案されるサービスが多くの金融機関から提供されています。その他、どのような方法でも良いのですが、肝心なのは自分が一番腹落ちする考え方、方法を採用することです。投資の結果はどうなるか誰もわかりませんが、結果が思わしくない時でも、「自分で選んだ」と納得できる基準を持つことが大切です。
いかがだったでしょうか。保有資産が増加した今だからこそ、ご自身の運用内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。
(執筆:三菱UFJ信託銀行 日下部 朋久)
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