ドルコストが強みを発揮するかどうかはマーケットの状況次第
実は、一括投資と定額積立投資のどちらが良いのかは、マーケットの状況によって大分違ってきます。
定額積立投資が有効なのは、マーケットが上がったり、下がったりを繰り返すような局面です。あるいはリーマンショック級の大暴落が生じた時なども、底値で買えれば、同じ金額でもかなり多くの数量を仕込むことができるため、マーケットが戻り始めた早めの時点で損失を取り戻せる可能性が高まるというメリットも得られます。
しかし、ここ数年の米国株式のように、大きな下げもなく右肩上がりの上昇基調が続くと、実は一括投資した方が有利なケースもあります。
実際に計算してみましょう。投資対象はS&P500のインデックスファンドです。定額積立投資は毎月末に2万7000円ずつ買い付けることにします。投資開始時期は2018年7月末からです。そして、2025年11月末まで積み立てて、12月25日の価格で評価します。定額積立投資については、2018年8月末、9月末、10月末というように1カ月ずつスタートする時期をずらして、それぞれについて2025年12月25日の基準価額で評価します。
一方、一括投資に関しては、2018年7月末に240万3000円を一括投資した後、1カ月ずつずらして投資額を2万7000円ずつ減額し、2025年12月25日時点の基準価額で評価してみました。つまり定額積立投資も一括投資も、これによって投資元本の条件を同一にできるので、投資効果にどのくらいの違いが生じているのかを比較できます。ちなみに240万3000円というのは、2018年7月末から2025年11月末までの89回、2万7000円ずつ投資した金額です。成長投資枠で一括投資できる上限は240万円なので、シミュレーションでは3000円オーバーしていますが、そこは“ご愛嬌”ということで。
昨今のような「右肩上がりのマーケット」では一括が有利
では、実際にどの程度の差が生じているのかということですが、2018年7月末から毎月2万7000円ずつ、2025年11月末まで89回にわたって積み立てた口数を、2025年12月25日時点の基準価額で計算した評価額は、積立総額が240万3000円に対して、575万1999円になりました。約2.4倍に増えたことになります。
では、2018年7月末に240万3000円を一括投資したものを、2025年12月25日時点の基準価額で評価するといくらになるでしょうか。919万3045円です。約3.8倍です。圧倒的に一括投資の方が、高い投資効率を得ることができるのです。
ちなみに89カ月間のうち、一括投資が定額積立投資に負けたのは、2024年12月末と2025年1月末に始めた場合だけで、それ以外の月はすべて一括投資が定額積立投資よりも高いリターンが得られたことになります。
これは、右肩上がりのマーケットが続けば当然のことで、定額積立投資の場合、現在に近づくほど高い価格で買うことになるからです。
原則として、投資は一括で買った方が良いと思われます。そもそも投資をするという行為は、将来の価値が上がることを前提にしているのだから、どうせ買うならまとめて買った方が有利になります。
ただ、長期的には値上がりするという前提でも、直近は調整局面などでマーケットが下落すると考えるなら、その局面を脱するまでは、成長投資枠で積み立てていくのもひとつの手です。
