安定運用のバランス型ファンドに需要
リスク許容度が比較的低いファンドとしては株式や債券など幅広い資産に分散投資するバランス型ファンドも魅力的な商品ということになる。売れ筋トップの「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は株式や債券、コモディティなどに幅広く分散投資するファンドだ。2025年11月末時点での資産配分比率は株式が41.0%、債券が33.7%、金・その他コモディティが21.3%になっている。また、第8位に順位が上がった「NWQグローバル厳選証券ファンド(為替ヘッジなし・隔月分配型)」は10月末の資産配分比率が株式20.0%、投資適格社債31.5%、ハイイールド債券23.5%、優先証券16.1%、転換社債6.6%となっており、よりリスクを抑えた運用を行っている。これらバランスファンドとグローバル株式ファンドである「キャピタル世界株式ファンド」のパフォーマンスを比較すると、株式ファンドの基準価額の価格変動の大きさが一目瞭然だ。
株式ファンドは過去2年間でも2024年8月、2025年4月に10日間ほどの間に20%前後下落するという短期急落の経験がある。これまでのところは株式ファンドのパフォーマンスがより高い水準にあるが、世界経済が不況に陥ればこれまでのように簡単に下落から立ち直るのは難しくなるだろう。その点、株式ファンドの下落が大きな時であっても比較的下落率が小さなバランス型ファンドは安心感がある。単位型投信に魅力を感じる投資家に通じる投資リスクを回避したい姿勢が、通年募集が可能なバランス型ファンドへの底堅い需要につながっている。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

