会社員の場合─年末調整で手続きを完結させる
では、ここからは具体的な手続き方法について、会社員と自営業者それぞれのケースに分けて詳しく見ていこう。会社に雇用されている会社員の場合、基本的には勤務先が税金の計算や納税手続きを代行してくれる。毎月の給料から所得税が天引きされているが、これはあくまで概算の金額だ。正しい納税額を確定するためには「年末調整」が必要となる。
毎年11月ごろになると、勤務先の経理部門などから年末調整の書類が配布される。この書類に必要事項を記入して提出することで、会社が正確な税額計算を行う。生命保険料控除や配偶者控除など、様々な控除の対象であることを申告することで、最終的な税金負担を適正な水準に調整できるのだ。
ただし、iDeCoの掛金が事業主払込(給与天引き)になっている場合は、会社側が掛金額を正確に把握できるため、年末調整での申告は不要である。
自営業者やフリーランスは確定申告
一方、自営業者やフリーランスなど、年末調整の対象ではない人は、自分で「確定申告」を行う必要がある。確定申告とは、1年間の収入、支出、控除から所得を計算し、税務署に正しく申告することで納税額を確定し、納税するための手続きだ。
確定申告は、給与収入が2000万円を超える人、副業の所得が20万円を超える人なども対象となる。また、会社員であっても年末調整の期限に間に合わなかった場合や、初年度の住宅借入金等特別控除のほか医療費控除など、年末調整では処理できない控除がある場合には確定申告が必要となる。
確定申告の手続きは、「確定申告書」を作成して税務署に提出することで完了する。従来は税務署で書類を入手して手書きで記入する方法が一般的だったが、近年はe-Taxなどのオンラインシステムが整備され、マイナンバーカードを使えばスマートフォンやパソコンから手軽に作成・送信できるようになっている。
●年末調整や確定申告、実際の手続きはどういう流れになっているのか?後編『iDeCoの節税効果を受けるには?年末調整と確定申告、それぞれの手続き方法は?』にて詳説する。
