投資も人生も、パワーの源泉は「複利効果」
バフェット最大のパワーの源泉をお伝えしよう。それは「複利効果」。人間には、この複利効果はどうも感じにくいもののようだ。実は1965年からバーシャー株を持っている人が初めに1万ドルを投資していると、現在5億5000万ドルになっている。そして、その富の97%は後半の30年に作られた。しかも、後半の利回りは、前半の半分にも満たない。
バフェットはこう言う。「人生は雪だるまのようなものだ。大事なことはくっつきやすい雪と本当に長い坂を見つけることだ」この言葉は、複利効果のことを言っている。実は人生でも、常に複利効果を意識するとよいのだ。
バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの株価は、バフェットが経営権を握った1965年から60年、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを達成した。バークシャー株55000倍、S&P500(配当込)は390倍。まさに雲泥の差である。バークシャーの60年の投資利回りは、年率で19.9%。S&P500は10.4%。この差が、60年続くと、これだけの開きになる。ほとんどの運用担当者が、S&P500を長期にわたり上回ることがむずかしい中で、バフェットが達成した実績は、まさに奇跡のパフォーマンスといってよい。では、どのようにして、このパフォーマンスを達成したか。そこは誰でも知りたいところである。
どうしてこのようなパフォーマンスになったか、投資手法とは別の面から見てみたい。
1.バフェットは、65年間、同じ家に住み続け、同じ通りを5分で会社まで通い続けている。
―この通勤時間の短さは、莫大な時間セーブになる。節約した時間を多くの意味あることに使える。
2.バフェットの給料は10万ドル。5万ドルは使わないので返す。朝食はマクドナルドの朝食セット。最大株主であるアメリカン・エクスプレスのカードは、一番安い緑のカード。
―バフェットはぜいたくをしない。むしろ倹約家である。貯まったお金は投資に回すということだ。
3.バフェットは、オフィスで、5~6時間、毎日あらゆる分野の読書に勤しむ。
―毎日学び続けている。そのため、今でもバフェットは進歩している。
以上をまとめると、自分の環境をシンプルにして(摩擦を少なくして)、続ける、節約する、学ぶということだ。すなわち、時間を大切に、お金を節約して投資に回し、自らの能力を向上させて、複利効果を最大化したということになる。こうしてバフェットは、投資で偉大な成果を上げてきたと、筆者は見ている。
