「担当者の業務に役立つ」認定を受ける4つのメリット

企業はDCエクセレントカンパニー認定を次のように活用できる。

1. 労働組合への報告:制度運営状況の報告時に適切な運営を行っていることの根拠として活用
2. 加入者への訴求:社内ウェブや社内報に「認定ロゴ」を掲載し、DC制度やその運営に対する信頼や関心を高める
3. 経営層への報告:「認定証」を提示して予算、継続教育の時間、人員確保の根拠とする
4. 他部署との協力関係構築:良い取り組みとしての外部評価を得ることで部署間協力を得やすくする

DC担当者の中には社内での担当が自身のみというケースも多い。認定を受けることで業務の成果を広く社内外に訴求できることはモチベーションにもつながるのではないだろうか。また、認定を受けたのちにさらにステップアップして優秀賞や奨励賞を目指す表彰審査に進むことも可能だ。

2026年の応募スケジュールは?

2026年の認定に関しては以下のスケジュールで進められる。

- 2月:「認定」への応募(チェックシート提出)
- 3月下旬:応募内容確認、認定企業決定、「認定ロゴ」「認定証」を送付
- 4月:協会ホームページに本年度の認定企業として公開

なお、応募にあたって気になる点が認定審査の評価観点だろう。ポイントは以下のとおりとなっている。

DCエクセレントカンパニー認定の評価観点

【継続教育部門】
1. 継続教育施策の効果検証
2. 制度の目的や狙いとの整合性
3. 加入者実態の把握とその対応、改善
4. 経営層の認識、コミットメント
5. 持続的な教育運営のための組織的な仕組み

【ガバナンス部門】
1. 制度運営の体制
2. 商品モニタリング
3. 加入者目線の制度運営
4. 加入者への情報開示(コミュニケーション)
5. 運営管理機関の業務評価

DCエクセレントカンパニーに認定されるとどんなメリットがあるのかは前述のとおりだが、認定企業の生の声を聞いてみたいのが実際のところだろう。2026年度の実施にあたり、同協会では過去の認定企業の担当者にアンケートを取っている。結果によると、多くの企業で認定取得の効果を実感しており、その主な内容は以下の順となっている。

DCエクセレントカンパニー2025認定企業の声

1. 社内でのDC推進活動の正当性や重要性が認識された
2. DC制度担当者のモチベーションや業務への意欲が高まった
3. 他社の好事例を知る機会が増え、自社のDC制度運営改善のヒントを得られた
4. 経営層へのDC運営に関する提案や予算確保の説得力が増した
5. 認定の社内周知をきっかけに、従業員のDC制度への関心や理解が深まった
6. 企業ブランド力や対外的な評価が向上した

また、「認定取得を他社にも勧めたいと思うか」という質問には多数の担当者が「そう思う」「ややそう思う」と回答している。さらに2026年の認定にも多くの企業が再応募する意向を示しており、制度の価値が認められていることがうかがえる。

なおすでに第1回目となる2025年4月の実施でDCエクセレントカンパニー2025に認定された企業は47社に上っている。

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2026年の応募受付は2月から開始予定

DCエクセレントカンパニー認定制度は、企業型DCの運営に携わる担当者を応援し、加入者本位の制度運営を見える化する取り組みだ。比較的シンプルなプロセスで応募でき、社内外への訴求や担当者の意欲への好影響、社内予算確保の根拠としてなどにも活用できるため、DC運営の質向上への貢献が期待される。2026年の応募受付は2月から始まる予定だ。

●DCエクセレントカンパニー認定を受けるためのポイントとは? 後編「確定拠出年金(DC)の制度運営に積極的な企業の証明「DCエクセレントカンパニー認定」を獲得するには?」にて詳報する。