第2の柱は観光ビジネス、規模倍増へ投資拡大 こども教育事業も注力

そのほかのビジネスにも迫りましょう。ヒューリックは不動産以外の事業も成長させる方針です。

不動産以外の事業は観光ビジネスがあります。旅館「ふふ」や「ザ・ゲートホテル」、「ビューホテル」などを運営します。また、学習塾「トーマス」を運営するリソー教育グループを24年に子会社化し、教育事業も手掛けます。

【セグメント営業利益(24年12月期)】

セグメント営業利益(24年12月期)
 
出所:ヒューリック 決算短信
 

成長戦略の1つがM&Aです。ヒューリックは27年までの投資枠として1000億円を設定しました。リソー教育グループのように、シナジーが期待される事業の取得を計画します。25年7月には掘削工事を手掛ける鉱研工業を買収しました。鉱研工業とは物件の工事で取引関係にあり、シナジーが見込めると判断した模様です。

観光ビジネスも拡大させます。33年までに「ふふ」は11棟から19~20棟へ、「ザ・ゲートホテル」は4棟から14棟へ増設する計画です。観光ビジネスを成長事業に位置付け、規模を24年比で2倍程度へ成長させます。

こども教育事業は特化施設「こどもでぱーと」に注力します。学習塾や運動教室といった各種の習い事や、保育・学童および医療などのサービスを集約した施設で、現在は「中野(東京都中野区)」と「たまプラーザ(神奈川県横浜市)」の2棟を展開します。今後は29年までに20棟程度の開業を目指します。

ほかに、環境事業では蓄電池に34年までに1000億円を投じるほか、物流開発やシニア向け高級住宅でも戦略投資を進める計画です。今後は金利の上昇も想定されますが、不動産以外の収益源も構築し、継続的な成長を図ります。