株価が回復、利上げ後の下げ幅を全戻し

ヒューリックが再び高値をうかがっています。2023年は上昇トレンドとなり、22年末に1040円だった株価は、24年1月には1648円まで値上がりしました。その後、同年3月に日本銀行がマイナス金利を解除すると軟調な展開となっていました。不動産株のヒューリックにとって、金利上昇は収益圧迫の思惑が働いたと考えられます。

しかし、25年4月以降は顕著に反発しています。8月には24年4月以来となる1600円台を一時回復し、9月には1663円まで上昇しました。10月は1525.5円まで調整しますが、現在は1666.5円まで取引されています(2025年11月17日終値)。これは、あと8.5%の上昇でリーマン後の高値(1808円、13年11月)に達する水準です。

【ヒューリックの株価チャート(過去5年間)】
・株価:1666.5円(2025年11月17日終値)

ヒューリックの株価チャート(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

配当金はどうでしょうか。ヒューリックは配当金を毎年引き上げており、今期も増配(25年12月期)を計画します。さらに、25年10月には今期の予想1株あたり配当金を従来の57円から60円に引き上げました。計画どおりなら、増配は12年の昭栄との統合前から数えて今期で17期連続です。

【ヒューリックの予想配当利回り(25年12月期)】

・予想配当金:60円
・予想配当利回り:3.60%

出所:ヒューリック 決算短信

今回はヒューリックに焦点を当てましょう。利益の安定性に強みがあり、配当金を重視した投資の候補に考えている人もいるかもしれません。同社の業績と成長戦略に迫ります。