「WCM」の圧倒的なパフォーマンス
SBI証券の売れ筋ランキングで唯一のアクティブファンドになった「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」は、パフォーマンスではインデックスファンドを上回る成績を残している。たとえば、2023年12月末を起点とすると、2025年10月末まで「WCM世界成長株厳選ファンド(資産成長型)」(マザーファンドは「予想分配金提示型」と同じ、パフォーマンスを比較するため分配金の払い出しがない「資産成長型」と比較)は+137.57%という高いリターンを残し、これは、「オルカン」の+54.59%を大きく上回っているばかりでなく、主要インデックスファンドで最もリターンが高かった「iFreeNEXT FANG+インデックス」の成績をも上回っている。投資銘柄を調査の上で選別していることの効果が、パフォーマンスの違いとして成績に反映された結果だ。
もちろん、信託報酬は年1.78%(税抜き)とインデックスファンドと比べると高い。年0.1%前後のインデックスファンドを基準に考えると年1.0%を超えるアクティブファンドは「高過ぎて考慮する対象にもならない」のかもしれない。しかし、同じ投資対象であっても手数料控除後で圧倒的なリターンの差が出ることがあることも事実だ。ネット証券では「手数料」の水準が商品選びの基準になる傾向が強い。SBI証券の売れ筋トップ10でもアクティブファンドは「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」だけが残ることになっている。運用商品の価値は最終的にはパフォーマンスにある。商品選択の際に過去のパフォーマンスの比較についてもっと考慮されることも必要ではないだろうか。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

