50代の元本割れ対策、二人以上世帯では? 

同じ50代でも単身世帯に比べると資産運用について比較的前向きな傾向がある二人以上世帯。それでは元本割れを避ける対策はどうだろうか。

単身世帯では「何もしていない」が2位を引き離してトップだったが、二人以上世帯では異なる特徴が見られるかもしれない。

金融資産をより安全にするためにとった行動(50代二人以上世帯)

金融資産をより安全にするためにとった行動(50代二人以上世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数1024、複数回答)よりFinasee編集部作成
 

50代は金融資産を守るためにどのような行動をとっているのか。続いて二人以上世帯について見ていこう。最も回答率が高いのは「何もしていない」で67.2%。2位以下に大きく差をつけているが、単身世帯(75.1%)に比べると7.9ポイント低い水準だ。

次いで「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」は14.7%、「金融商品の安全性に関する情報を収集した」が14.3%。いずれも単身世帯に比べて、それぞれ3.8ポイント、6.1ポイント高い水準だった。家族でお金について会話する機会があるのか、対策については二人以上世帯の方が積極的な傾向にあるようだ。

物価上昇を鑑みた元本割れ対策が必要

もうじき老後を迎えることもあってか、50代でリスク性商品を持つことについては消極派が多数を占め、その傾向は60代以降でさらに強まる。それもあってか、元本割れを避けるための対策は「何もしていない」との回答が最も多く、リスク性商品を持たないこと自体が最大の対策となっている可能性もある。

しかし元本確保の代表である預貯金については、金融機関の破綻時に金額面などの条件から全額は戻ってこないケースもある。さらに昨今の物価上昇の進行度合いによっては預貯金だけでは実質的な資産価値が目減りするケースも予想される。その点でも対策が必要になってくるかもしれない。情報収集を積極的に行いつつ、預入先や金融商品の分散投資を行っていくなど、調査結果を参考に元本割れ対策を検討してみてはいかがだろうか。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査