三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年8月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の新規設定ファンド数は22本と前月(30本)から減少した。設定総額は約240億円と前月(約480億円)から半減、2025年では2番目に少ない設定額になった。新規設定額ランキング(設定額は設定日の純資産額)でトップは、ニッセイアセットの単位型ファンドである「ニッセイ投資適格社債ファンド2025-08(ヘッジあり・4年投資型)」の約55億円だった。第2位は「にいがた未来応援アジア・パシフィック株式ファンド」で約44億円、第3位の「米ドル建HSBC社債/欧州株式戦略F(早期償還条項付)2025-08」の約40億円が続いた。単位型ファンドの設定が目立っている他、「楽天・米国成長株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)」など株式の配当に着目したファンド、「ゴールデントリオ(米国株・インド株・ゴールド)」など株式とゴールドを組み合わせたファンドが複数本設定されている。

 

単位型投信2本がそれぞれ40億円を超える設定額に

新規設定額でトップの「ニッセイ投資適格社債ファンド2025-08(ヘッジあり・4年投資型)」は、信託期間が約4年の限定追加型ファンドであり、信託期間内に償還日を迎える世界各国の投資適格社債に投資し、償還日まで保有することで信託財産の成長を図る。運用期間に合わせた為替ヘッジにより、設定時の利回り水準を信託期間の満期まで確保できることが利点となる。三菱アセット・ブレインズは、同ファンドに多くの資金が集まった背景について「米国の利下げ時期やペースを巡る議論が進む中、現状の高金利を反映した持ち切り運用型ファンドの設定が増加する可能性がある。加えて、金利低下局面においてキャピタルゲインの獲得も期待できる追加型の外国債券ファンドへの関心も高まると考えられる」と考察している。

「米ドル建HSBC社債/欧州株式戦略F(早期償還条項付)2025-08」は、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーが発行する米ドル建債券を主要投資対象とする。同債券は満期日(2030年9月5日)まで持ち切りとし、銘柄入れ替えも行わない。このため、設定時に年2回の利払時のクーポンレート(利率)が決定する。その上で、「S&P欧州350日次リスク・コントロール10%指数」に追加投資する。同指数は、満期償還時にプラスの収益率が確保できた場合は、債券の元本にプラスの収益が追加されるが、償還時にマイナス収益だった場合は償還益はゼロでマイナスにはならない仕組みになっている。また、ファンドの基準価額が12000円を超えた場合は安定運用に切り替えて早期償還する。このファンドも現在の金利水準に着目したファンドだ。