増収増益の連続記録がストップ 増配は継続、今期で22年目

最後に業績の実績と見通しを解説します。順調に拡大してきたニトリホールディングスですが、足元では停滞感もあります。

ニトリホールディングスは、22年2月期で35期連続の増収および経常増益を達成しました。続く23年3月期は、決算期変更に伴う約13カ月(404日)の変則決算でした。増収率は日数プラスの影響を上回ったものの、経常増益率は下回りました。また翌24年3月期は、日数マイナス影響より抑えられたとはいえ、単純比較では減収減益で着地します。こうした経緯から、増収増益の連続記録は途絶えます。

直近25年3月期は増収減益でした。中核のニトリ事業において売り上げが伸びた一方、円安に伴う輸入コストの上昇および販管費の増加が影響し、利益が減少しました。

ニトリホールディングスの業績(2016年2月期~2025年3月期)
 
出所:ニトリホールディングス 決算短信より著者作成
 

今期(26年3月期)は増収増益の計画です。ニトリ国内事業はテレビCMの強化や家電商品の売り場拡大などで売り上げを伸ばし、販管費の増加をカバーして増益を目指します。計画どおりなら、単純比較で営業増益は3期ぶりです。

【ニトリホールディングスの業績予想(26年3月期)】

・売上収益:9880億円(+6.4%)
・営業利益:1358億円(+15.4%)
・純利益:940億円(+13.9%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想

出所:ニトリホールディングス 決算短信

なお、増収増益の連続記録はストップしましたが、連続増配は続いています。連続増配は前期で21期に達しました。今期は前期比2円の増配となる1株あたり154円(株式分割後で0.4円増配の30.8円)の配当金を予定します。配当利回りは1%前後と低水準とはいえ、今後は連続増配の記録も注目を集めそうです。