「決まった目的はない」各年代で如実に増加

年代ごとの傾向もより明確になっている。「子どもの教育費」は30代、40代で前回調査時より大幅に減っている。この間、幼児教育、保育の無償化、高校授業料の無償化等の施策が進展するなどの影響があるとみられる。

貯蓄の目的(年代別)を表した図表
 
出所 内閣府「令和7年度年次経済財政報告」
 

前回と比較して軒並み増えているのが前述した「決まった目的はない」との答えだ。特に若い世代ほどこの傾向が強い。

「趣味に使う」との回答も20代~60代の全年代で増えており、特に60代では50代よりも多くなっている。「老後の生活費」は40代以上で前回より増えており、特に60代の伸びは顕著だ。20代、30代では逆に減っているが、新卒給与の上昇などの傾向から若年層での給与の伸びが影響しているのかもしれない。この年代では漠然とした遠い老後より、趣味のため、あるいは目的を特定せずに貯める傾向にあるようだ。

何のためにいつまでにいくら貯めるのか。目標を見える化することで結果が変わってくるかもしれない。

●貯蓄率が高い人の特徴とは…後編「データで判明した「貯蓄率が高い」人はどんな人?」にて詳報する。

調査概要 白書名:「令和7年度年次経済財政報告」 調査主体:内閣府 公表日:2025年7月29日