ここでドル円相場も見ておきましょう。ドル円は雇用統計後に大幅に下落した後、週明け146円62銭まで下落する場面が見られました。但し、ドルも円も弱かったことからその後は総じて横ばい圏で推移しています(11ページ)。
また、ドルと円がともに弱いということは、他の通貨は堅調に推移していると考えられ、弱い円とのコントラストがより鮮明となり、クロス円は上がりやすくなります。実際、今週のユーロ円相場は雇用統計前の水準には及んでいないものの雇用統計後の下げ幅のかなりの部分を回復していることがわかります(12ページ)。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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