住宅ローン利用者の居住地、職業は?
同調査の回答者の居住地域を見ると、関東地方が39.9%と最も多く、中でも34.6%が首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に集中している。日本の人口分布を反映しているとともに、大都市圏における住宅需要の高さを表しているといえそうだ。
次いで近畿地方17.8%、東海地方12.3%と続き、この3地域で全体の約7割を占めている。
一方、北陸地方は4.1%と最も低く、中国・四国地方(7.4%)や九州・沖縄地方(8.4%)も比較的低い。人口減少や高齢化が進んでいることも影響しているのかもしれない。
住宅ローン利用者の職業は?
回答者の職業は「会社・団体職員」が67.8%と最も多くを占めている。安定した収入が見込める会社員などが住宅ローンを組みやすい状況にあることがうかがえる。
次いで「公務員」が12.2%。公務員は雇用の安定性が高く、金融機関からの信用も厚いため、比較的住宅ローンを組みやすいのだろう。以降、「会社等の役員」(3.8%)、「自営業」(3.7%)、「派遣社員・短期社員」(3.1%)と続く。
「新築戸建て」が人気
取得した住宅の種類では、「新築戸建て」が64.1%と最も多数を占めた。調査結果からは新築志向、特に一戸建て住宅への憧れが強い実態が浮かび上がってくる。
「新築マンション」と「中古マンション」がともに13.0%で並び、「中古戸建」は9.9%。新築物件が全体の77.1%を占め、中古物件は22.9%にとどまっている。
中古住宅市場の活性化が政策的課題となっている中、実際の住宅ローン利用者の選択は依然として新築、特に戸建て住宅が強く支持されている状況が明らかになった。
住宅ローンは自身に合った選択を
調査結果によれば、金融機関選びでは地方銀行が最も支持されている。一方でネット銀行の存在感も増しており、今後の住宅ローン市場における競争激化が予想される。また、新築志向が強い一方で、人口減少社会における中古住宅の有効活用という課題も浮き彫りになっている。住宅ローンを検討する際には、こうした全体傾向を踏まえつつも、自身のライフプランや収入状況、将来設計に合わせた選択をすることが重要だ。各金融機関が提供する住宅ローン商品の違いを理解し、自身にとって最適なものを選択することが夢のマイホーム実現へとつながる道となるだろう。
調査概要 調査名:「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」 調査主体:住宅金融支援機構 公表日:2025年6月27日 調査期間:2025年4月30日~5月12日 調査対象:2024年10月~2025年3月までに個人向け住宅ローン※の借り入れをした1397人(全国20歳以上~70歳未満、学生・無職除く) ※借換、リフォームローン、土地のみローン、投資用ローン除く)