20代・30代は「結婚・出産」、60代は「暮らしやすさ」
住宅を取得した理由について、20代~60代までに聞いた最新の調査結果が「住宅ローン利用者の実態調査」(住宅金融支援機構、2025年6月10日公表)から分かる。年代別に集計したその結果からは、若い世代と高齢世代では住宅取得の動機に顕著な違いがあることが見て取れる。
住宅の取得理由
<20代>住宅の取得理由ランキング
1位 結婚、出産 57.7%
2位 家賃が高い 31.2%
3位 子供が大きくなってきた、増えた 16.7%
4位 性能の高い住宅に住みたい 16.2%
5位 新しく、きれいな家に住みたい 13.7%
<30代>住宅の取得理由ランキング
1位 結婚、出産 39.4%
2位 子供が大きくなってきた、増えた 31.6%
3位 家賃が高い 29.1%
4位 性能の高い住宅に住みたい 15.2%
5位 資産として住宅(不動産)を持ちたい 14.1%
<40代>住宅の取得理由ランキング
1位 子供が大きくなってきた、増えた 27.0%
2位 家賃が高い 26.5%
3位 新しく、きれいな家に住みたい 20.1%
4位 資産として住宅(不動産)を持ちたい 15.5%
5位 性能の高い住宅に住みたい 15.0%
出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」よりFinasee編集部作成
20代では「結婚、出産」が57.7%と突出して高い。20代の若い世代は家族構成の変化が住宅購入のきっかけとなっているようだ。
30代でも「結婚、出産」は39.4%と最多の理由だが、20代と比較すると割合は低下する。代わりに「子供が大きくなってきた、増えた」が31.6%と増加し、家族の成長に合わせた住まいを求めて住宅を購入する傾向が見られる。また、「資産として住宅(不動産)を持ちたい」という回答も14.1%と一定数あり、資産価値としての不動産の魅力や、賃貸ではなく自分の財産として家を手に入れたい希望があるのかもしれない。
40代になると「子供が大きくなってきた、増えた」が27.0%と最も多くなり、次いで「家賃が高い」が26.5%となっている。この年代では、子どもの成長に伴って各自の部屋を用意する、あるいは将来の住居費を長期的に考えて賃貸から持ち家へ住み替えるといった傾向が強まる様子がうかがえる。
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