「暮らしやすい家」「親や子どもと同居」老後生活を見据えた理由に

さらに年代の特徴が顕著に表れているのが50代と60代の傾向だ。

<50代>住宅の取得理由ランキング
1位 家賃が高い 27.4%
2位 高齢になり、暮らしやすい家がほしい 22.6%
3位 資産として住宅(不動産)を持ちたい 15.8%
3位 新しく、きれいな家に住みたい 15.8%
5位 生活の利便性が高い場所に住み替えたい 13.0%

<60代>住宅の取得理由ランキング
1位 高齢になり、暮らしやすい家がほしい 46.2%
2位 新しく、きれいな家に住みたい 20.5%
3位 親または子供と世帯を1つにする(同居) 17.9%
4位 1人または夫婦のみでの生活スタイルが確立 15.4%
4位 性能の高い住宅に住みたい 15.4%

出所:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」よりFinasee編集部作成

50代では「家賃が高い」が27.4%と最多となり、経済的な理由が存在感を増す。続いて「高齢になり、暮らしやすい家がほしい」(22.6%)、「生活の利便性が高い場所に住み替えたい」(13.0%)といった年齢を重ねることにより生じる新たなニーズが浮き彫りになっている。

60代では「高齢になり、暮らしやすい家がほしい」が46.2%と圧倒的に高く、老後生活を見据えた住環境への関心が高まっていることが分かる。同様に、「親または子供と世帯を1つにする(同居)」(17.9%)、「1人または夫婦のみでの生活スタイルが確立」(15.4%)といった回答も挙がり、今後の生活に合った住宅を新たに購入する様子が見てとれる。

一方で各年代に共通して上位に入っている理由もある。「性能の高い住宅に住みたい」は50代を除いた全年代で15%前後の支持を集めており、住宅の耐震性や安全性といったハード面、IoT※をはじめとするスマート設備の充実などのソフト面において最新性能を取り入れたいという関心が年代を問わず一定の高さを保っていることを示唆している。

※モノのインターネット…家電や機器をインターネットにつなげて自動制御や遠隔操作などを行う仕組み。住宅の照明、空調などをスマホや音声で外から操作できる設備などが一例。

調査概要 調査名:「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」 調査主体:住宅金融支援機構 公表日:2025年6月27日 調査期間:2025年4月30日~5月12日 調査対象:2024年10月~2025年3月までに個人向け住宅ローン※の借り入れをした1397人(全国20歳以上~70歳未満、学生・無職除く) ※借換、リフォームローン、土地のみローン、投資用ローン除く)