「物価高・住宅価格高騰」時代の住宅購入戦略

調査結果から見えてくるのは現在の住宅市場では購入に際して柔軟な対応が求められるという現実だ。予算、立地、タイミング、住宅の条件などさまざまな要素を総合的に検討し、状況に応じて優先順位を見直すことが重要となってきている。

具体的な対策としては以下の案が考えられそうだ。

1.予算計画に余裕を持たせる…当初の予算に対して一定の余裕を持たせておくことで価格上昇に対応できるようにする。

2.複数のエリアを検討する…第一希望のエリアだけでなく、代替となるエリアも事前に検討しておく。実際に足を運び、自分の目で判断することが重要だ。

3.購入タイミングに柔軟性を持つ…市場動向を見ながら購入タイミングをずらせる準備をしておく。

4.優先順位を明確にする…立地、広さ、築年数など、何を優先するかを明確にする。

5.自己資金の確保に努める…可能な限り自己資金(頭金)を増やすことで住宅ローンの借入依存度を下げる。

現在の経済環境下では、当初の計画通りに進まないことを前提に複数の選択肢に目を向けることが重要だ。

予算を増やすだけでなく、立地や住宅の条件など総合的な視点から最適解を見つける柔軟性がこれからの住宅購入においては一層求められる。「住めば都」のことわざどおり、夢のマイホーム実現のために必要なことは柔軟性かもしれない。

●家を買うのはどんなタイミングだったのか。経験者に聞いた実情は後編「【年代別】住宅ローン利用者1400人が答えた「家を買った理由」ランキング」にて詳報している。

調査概要 調査名:「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」 調査主体:住宅金融支援機構 公表日:2025年6月27日 調査期間:2025年4月30日~5月12日 調査対象:2024年10月~2025年3月までに個人向け住宅ローン※の借り入れをした1397人(全国20歳以上~70歳未満、学生・無職除く) ※借換、リフォームローン、土地のみローン、投資用ローン除く)