株価は金利と逆行 高値から半値に
LIXIL(リクシル)の株価は金利との逆行が顕著です。2020年以降は各国で新型コロナウイルスへの対応から金融緩和に舵を切り、金利が世界的に低下しました。LIXILの株価は急伸し、21年9月には3365円の高値を付けます。住宅関連の事業を展開している同社にとって、金利の低下は業績拡大の思惑が働きやすく、買いが集まったとみられます。
経済が正常化に向かうと、インフレなどから各国で利上げの機運が高まります。世界的に金利が上昇し、日本も24年3月にマイナス金利を解除しました。LIXILの株価は反対に下落が強まり、現在は1700円台後半と、21年の高値3365円から半値水準で取引されています。
【LIXILの株価チャート(過去5年間)】
・株価:1787円(2025年8月4日終値)
株価の下落を受け、配当利回りは高水準です。今期は1株あたり90円の配当金を予想しており、配当利回りは5%を超えています。これは東証プライム市場の加重平均2.36%(25年7月)を大幅に上回る水準です。
【LIXILの予想配当利回り(2026年3月期)】
・予想配当金:90円
・予想配当利回り:5.04%
出所:LIXIL 決算短信
なお、配当金は課税の対象です。税率は約20%で、配当金が90円なら手取りは約72円まで減少します。
しかし、NISAなら非課税で配当金を受け取れます。個別株式は成長投資枠で年240万円まで購入でき、LIXILなら足元の株価で1300株まで取得できます。計画どおりなら、配当金は1300株で11万7000円となり、本来は課税される2万3400円の税金も生じません。
高い配当収入が期待できるLIXILですが、気になるのは業績の行方でしょう。金利の高止まりは、単に株価に影響しているだけでなく、業績にも影を落としています。今後はどのように成長させる計画なのでしょうか。見通しを解説します。