24年から下落トレンド PBR 0.73倍

京セラの株価が軟調です。2023年はおおむね上昇トレンドで、24年1月には一時2333.5円まで上昇しました。以降は値下がりの展開となり、同年8月の日本株売りや10月の業績予想の下方修正で株価は急落します。11月には1443.5円の安値をつけました。

なお、足元では反発も見られます。25年5月に決算を公表すると、翌営業日は前日比6.8%高となる1914円まで上昇しました。もっとも、その日は売りに押され、同1.8%安となる1761円で取引を終えます。売りはその後も続き、7月に1584.5円の安値をつけました。現在は相互関税率の引き下げ報道などから買いが集まり、1680円前後まで回復しています。

【京セラの株価チャート(過去5年間)】
・株価:1679.5円(2025年7月24日終値)

京セラの株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

株価はやや反発したものの、PBR(株価純資産倍率)から見るとまだ低水準です。PBRは0.73倍と、目安となる1倍を割り込んでいます。投資家は京セラの成長を信じきれていないようです。

【京セラのPBR(25年7月24日終値)】

・資本合計:3兆2432億円
・1株あたり資本合計(自己株式除く):2302.21円
・PBR:0.73倍
・(参考)東証プライムPBR:1.4倍(2025年6月)
※資本および株式数は2025年3月末
※東証プライムPBRは加重平均

出所:京セラ 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料

京セラの株価が振るわない理由は業績にあるとみられます。売り上げは堅調な一方で、利益は過去10年で最低水準に沈みます。この打開とPBR 1倍の実現を目指し、同社は経営改革に着手しました。

京セラの経営改革とはどのような内容なのでしょうか。業績の見通しと併せて解説します。