毎月の掛金はいくら?

毎月の掛金は最低5,000円から1000円単位で設定することができる。理論的には、iDeCoによる節税効果の恩恵を最大限に享受したいなら上限額まで積み立てることで効果が高まる。

ただし、無理な積み立ては避けるべきだ。掛金額の変更は1年に1度しかできないので、無理なく家計に響かない程度の金額に設定することが大前提となる。

上限額については、職業や勤め先で導入している企業年金制度によって異なる。例えば企業型DC(確定拠出年金)がない会社員・公務員は月額2万3,000円、自営業者等(第1号被保険者)は月額6万8,000円などの上限がある。自分の状況に合わせた上限額を確認することが重要だ。

◆職業別のiDeCoの積立上限額

なお、2025年6月13日、年金制度改革関連法案の修正案が参議院本会議で可決・成立した。「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化を図る」ため、今後3年以内にiDeCoの掛金上限額の変更や加入可能年齢の上限引き上げが行われる見込みとなっている。

途中でやめることもできる?

「iDeCoを始めたいけれど、一度始めたらやめられないのではないか」と心配する人もいるだろう。

iDeCo口座では原則として60歳までは預けた金額を受け取ることはできないが、「加入者資格喪失届」という書類を提出することで、毎月の掛金の拠出を停止することは可能だ(停止中も毎月の口座管理手数料はかかる)。必要な書類はiDeCo公式サイトや各金融機関のホームページから請求できる。

iDeCoを始めるかどうかはしっかり検討しよう

ここまで、iDeCoを始めるにあたって初心者の方が感じるであろう疑問について解説してきた。iDeCoは加入資格を満たす人であれば、税制優遇を活用しながら老後資金を形成することに期待できる。

iDeCoは開始時や運用中などで手数料がかかるため、自分のライフプランに合わせて必要であれば活用を検討してみるとよいだろう。