◆株式アクティブファンドのパフォーマンスに明暗
野村證券の売れ筋トップ10にランキングされている株式アクティブファンドは、2025年になってそのパフォーマンス(分配金込み)に明確な優劣が出始めている。ランキングでは上位にある「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、2024年の後半から「S&P500」に劣後するような動きになり、その傾向は2025年になっても続いている。また、予想分配金提示型として基準価額の水準に応じてあらかじめ決まっている分配金を払い出しているが、毎月1万口当たり200円~300円の分配金を出していたものが、2025年は3月、4月と2カ月連続で無分配となり、5月以降も分配金は100円と水準が落ちている。
「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は、半導体産業の高成長期待を背景に、非常に大きなパフォーマンスを残している。新NISAが始まった2024年1月を起点としても2024年7月には基準価額が190%と、わずか半年余りで資産額が約2倍にまで大きく成長した。その後も雄大なアップダウンを繰り返していて、「S&P500」とは次元が違うパフォーマンスの推移になっている。
一方、新たにトップ10にランクインした「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」は、成長期待が強く、かつ、割安な銘柄に投資するファンドで、2024年1月からのパフォーマンスでは常に「S&P500」を上回る運用成績を続けている。予想分配金提示型として、このファンドも基準価額の水準に応じて毎月分配金を払い出しているが、2024年10月以降は1万口当たり400円の分配金を支払い、2025年4月は無分配となったものの、5月以降200円の分配金を出している。同ファンドは2024年10月以来、分配金利回りにおいて毎月決算型の全公募ファンド中トップを維持し続けている。その点での魅力も浸透し始めていると考えられる。
執筆/ライター・記者 徳永 浩