第38回目のマーケットトークです。

今回は「金融政策の違いは円高を招くのか」をテーマにドル円相場の振り返り、6月23日週(以下:今週)のドル安とドル高の材料を整理した後、本題である金融政策と円相場、来週のポイントを解説します。

出所:内田氏

まずはドル円相場の振り返りです。米国がイランの核関連施設を攻撃したものの、そのダメージの度合いが不明との報道から緊張が高まり、週初一時148円01銭まで上昇しました。ただ、その後はイランが米軍基地を攻撃したものの事前通告があった上、イランとイスラエルが停戦合意したと報じられると原油相場が反落し、ドルも連れて反落しました(2ページ)。

 

今週はFRB当局者による7月の利下げを容認するハト派の発言や予想を下回った米国の消費者信頼感指数もドル安に作用しました。その後、NATO(北大西洋条約機構)が軍事費を対GDP5%支出することで合意したという報道を受け、世界的な財政拡張機運が連想されると米国でも長期金利が上昇し、ドルが持ち直す場面もありました。

しかし、その後は米国の利下げの織り込みが高まる中で、ドルがじり安に推移。日本時間26日未明にトランプ大統領がFRBの次期議長を早めに指名する意向を示すと一時144円を割り込む場面もありました。