底堅く推移したドル
来週は24日から25日にかけて、パウエル議長が下院と上院でそれぞれ議会証言を行います。ただし、FOMCの記者会見で景気がある程度強いこと、関税の結果が出るまで様子見だということをすでに表明しています。したがって材料とはなりにくいでしょう。また24日から25日にかけて、NATO首脳会談が開催され、トランプ大統領も出席するようです。また、このタイミングを捉え、日本は首脳会談を模索すると報道されています。実際に開催された場合、関税に関するヘッドラインに要注意です。交渉の進展を巡り、明るい材料が出てくれば株高とリスクオンの円安となる一方、トランプ大統領からあまり色よい返事をもらえず、継続協議となれば株への下押し材料となり、円安に歯止めがかかる動きになりそうです。
また27日に東京都の消費者物価指数が発表されます。全国の5月分が今日6月20日に発表されましたが、依然としてインフレはかなり粘性を帯びています。6月の東京の物価でも同様の流れが確認されると、日銀の利上げ観測につながってくる可能性はあります。
27日は、米国でも5月の個人消費支出物価指数が発表されます。ただ、FOMC後の記者会見を見る限り、よほどの数字が出ない限り、市場への影響はあまり出ないと考えられます。
全体としてみますと米国の株と債券をみる限り、ドル離れという動きが下火になってきました。そこに、中東の地政学リスクが生じ、原油価格の上昇がドルのサポート要因となっている構図です。地政学リスクが続く間、ドルがある程度底堅く推移すると考えられます。
ただ、少し先を見据えると7月上旬は、イランに対する攻撃是非の判断期日、関税の猶予期間最終日、雇用統計と重要イベントを控えており、来週は動きにくいと考えられます。