「米の販売価格が落ち着き、他の商品購入に回せるように」
続いて北海道の景気ウォッチャーたちによる先行き判断の理由のコメントを深掘りしていく。まずは家計動向関連で先行き判断コメントが多かった順(□不変、▲やや悪、○やや良、以下略)に見ていこう。
自動車販売店従業員「受注が制限されている車種が多いこと、物価上昇の影響でお客の気持ちが車の購入に向いていないことから今後も景気は変わらない。物価高の影響を受けてメーカーが新車の価格改定を頻繁に行っていることもマイナス」(□不変)
旅行代理店従業員「円安、物価高が続いていることから、今後も海外旅行の増加は見込めない。参議院選挙の影響で人の動きに一時的な停滞も見込まれる。全国と同様に北海道においても宿泊施設の利用料金が高騰、特にファミリー層の道内旅行控えに懸念。今後も現状と変わらないまま、景気のやや悪い状態が続く」(□不変)
スーパー企画担当「今後は米の価格が下がることで販売量が伸びてくると期待できる。また米の価格が下がることで他の食材の購入につながることも期待でき、景気は上向く」(○やや良)
一般小売店[土産](経営者)「売上が伸びており、今後の景気はやや良くなる。外国人観光客は周辺の人気観光地の効果もあって欧米系を中心に利用増。ただ、消費額がそれほど多いわけではない。国内客は大阪・関西万博の影響もあって減。また、日本の若者の様子から景気の良さがうかがえると話す人も」(○やや良)
観光型ホテル経営者「物価高の影響で国内客の予約状況が悪い。海外客については7月5日に日本で大地震が起こるとの風説が流れていることでアジア方面からの予約が大きく減少。また米を始めとした食料品の価格が上昇、仕入額が大きく増加、経費を押し上げている。今後数カ月の景気は大きく落ち込む懸念。GDPが前期比マイナスとなったことで大型の経済対策などが行われることを期待」(▲やや悪)
衣料品専門店店長「品質よりも価格に対するお客の要求が強まっているなか、衣料品業界では既に次期シーズンの発注、生産を行っており、どうしても対応が後手に。そのため今後の景気は悪くなる。こうした状況を報道で取り上げてもらうなどして、お客の理解を得られないと今後の経営が成り立たなくなることも懸念」(×悪)
旅行代理店従業員「韓国、台湾、中国からの観光需要が好調を維持、夏季の観光繁忙期を迎えインバウンド増加に期待。半導体関連産業のビジネス需要も継続、国内路線も堅調推移が見込まれる」(◎良)