現状DIは5カ月ぶりに上昇、先行きともプラスに転換

景気の現場の声を集める「景気ウォッチャー調査」の最新版となる2025年5月結果が6月9日に発表された。景気の現状判断DI(季節調整値)は44.4と前月から1.8ポイント上昇し、5カ月ぶりの上昇となった。先行き判断DIも44.8と同2.1ポイント上昇し、前月を上回った。

内閣府が毎月実施している景気ウォッチャー調査はタクシー運転手、小売店主、製造業の営業担当者など、日々の経済活動の現場で働く全国の約2000人を「景気ウォッチャー」として選定し、彼らの景気に対する見方を数値化。DIが50を上回ると景気の改善、50を下回ると悪化を示す。

5月の現状判断DIは、小売り関連等がけん引した家計動向関連および雇用関連で上昇。一方、企業動向関連は製造業の低迷により低下。地域別に見ると全国12 地域中、11 地域で上昇した。最も上昇幅が大きかったのは沖縄(6.8 ポイント上昇)で、最も低下幅が大きかったのは甲信越(2.3 ポイント低下)だった。

 
出所:内閣府
 

また、2〜3カ月先の景気見通しを示す先行き判断DIも家計、企業、雇用のすべての分野で上昇している。なお内閣府では、5月の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方のまとめとして、「景気はこのところ回復に弱さがみられる。先行きについては夏のボーナスおよび賃上げへの期待がある一方、引き続き価格上昇や米国の通商政策の影響への懸念がみられる」と示している。続いて全国12の地域別の傾向と、景気ウォッチャーたちの生の声を聞いてみよう。