伊藤忠グループの建設機械メーカー M&Aでサービス領域を強化
日立建機は大手の建設機械メーカーです。日立製作所の建設機械部門を再編し、1970年に設立されました。従来は日立製作所の連結子会社でしたが、2022年に保有比率が51.4%から25.4%まで低下し、持分法適用会社となっています。
現在は伊藤忠商事らの共同出資会社(HCJIホールディングス)が筆頭株主です(保有比率:26%)。また大量保有報告書によれば、伊藤忠商事は完全子会社(シトラスインベストメント)を通じ、2025年4月現在で別途6.41%を保有します。
日立建機の主力製品の1つが油圧ショベルです。主に建設や農林業向けの小型~中型のものから、鉱山や港湾荷役などで用いられる大型・超大型の機械を製造します。油圧ショベル以外では、ホイールローダや大型のダンプトラック、道路工事に用いるタイヤローラなどを手掛けます。
日立建機の利益は、これら「建設機械ビジネス」が大半を占めます。もう1つの事業セグメント「スペシャライズド・パーツ・サービス」は、主に鉱山機械向けのアフターサービスを行う領域です。2016年に買収した米H-Eパーツ社が部品の交換や再生などを手掛けています。
【セグメント情報(2025年3月期)】
※調整後営業利益…売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費
売り上げの大半は海外です。2025年3月期は84%を海外が占めました。地域別では北米やオセアニアといった油圧ショベルの主要市場で大きくなっています。油圧ショベルは近年、アジアやインドといった新興国で需要が増加してきており、日立建機の売り上げにも影響を与える可能性があります。
【日立建機の主な地域別の売上収益(2025年3月期)】
・北米:3124億円(構成比22.8%)
・オセアニア:2589億円(同18.9%)
・日本:2200億円(同16.0%)
・欧州:1597億円(同11.6%)
・アジア:1185億円(同8.6%)
・インド:875億円(同6.4%)
・アフリカ:850億円(同6.2%)
出所:日立建機 決算短信