iDeCoの掛金上限額がアップしたものの…
iDeCoの掛金上限額の改正は、2024年12月より適用されている以下の内容が最新版となります。影響があったのは会社員と公務員の人で、これまでiDeCoの月額掛金上限が1万2000円だった人が2万円にアップしました。

具体的には上図のとおり、トータル月額5万5000円から、「事業主の拠出額(各月の企業型DCの事業主掛金額+DB等の他制度掛金相当額)」を引いた残りの範囲(最大2万円)で、iDeCoの掛金を積み立てられることになりました。
さらなる掛金上限アップは年金制度改革関連法案の行方次第
一方で、現在の5万5000円の枠がさらにアップする案が出ていますが、その決定にはまだ時間がかかりそうです。現在、話題になっている年金制度改革関連法案の国会提出の遅れに起因しています(2025年5月1日時点)。
特に「厚生年金の積立金を活用した国民年金の底上げ」という現行制度の枠組みを大きく変更する部分が課題となり、当初検討されていたこの案が最終的な法案からは削除されることが明らかになりました。
なお、iDeCoの改正には確定拠出年金法等の改正が関連しますので、その前提となる今回の年金制度改革関連法案の成立について、引き続き注視していく必要があります。具体的なiDeCoに関する改正案の内容は次のとおりです。
【掛金上限額の引き上げ】( ※)
・自営業者等…月額7万5000円(現状6万8000円)
・会社員・公務員…月額6万2000円(同5万5000円)
※自営業者などは国民年金基金との合計額、会社員・公務員は企業年金等の他制度掛金との合計額
掛金を増やすとその分、所得控除が増え、所得税や住民税が減るという節税メリットが見込めます。一方で、60歳まで資金が引き出せないというiDeCo特有の制限には注意が必要です。ただし、60歳が近い年代の人や余裕資金がある人などは、考えようによってはこの引き出し制限が必ずしもデメリットとなりえるわけではないかもしれません。これを機に自分にとってiDeCoが有意義に利用できそうか否か、考えてみるのも一案でしょう。