25年3月期は大幅な増収増益を計画 取り組み好調、AI用途の投資が活況

次に業績を確認しましょう。東京エレクトロンは長期的には大きく成長しており、2024年3月期までの10期で売上高は3.0倍、営業利益は14.2倍に増加しました。

もっとも、2024年3月期は減収減益でした。スマートフォンやPCの需要が一巡し、半導体デバイスのメーカーが生産を抑制しました。製造装置の東京エレクトロンにとっては売り上げの減少要因として働き、売上高は2期ぶりに2兆円を割り込みました。

 
出所:東京エレクトロン 決算短信より著者作成
 

しかし、翌2025年3月期は一転して好調です。第3四半期は累計で売上高は前年同四半期比38.4%増、営業利益は同65.1%増と大幅な増収増益となっています。生成AI用途で設備投資が伸長したほか、納入済み装置に対する保守用部品やサービスなども堅調でした。

好調な取り組みを受け、通期の業績予想も上方修正しています。期首予想比で売上高は2000億円の引き上げ、営業利益は980億円の引き上げとなりました。達成できれば過去最高を更新します。

【東京エレクトロンの業績予想(2025年3月期)】

・売上高:2兆4000億円(+31.1%)
・営業利益:6800億円(+49.0%)
・純利益:5260億円(+44.5%)
※()は前期比
※同第3四半期時点における同社の予想

出所:東京エレクトロン 決算短信

通期予想に対する第3四半期時点の進捗率は売上高で74.0%、営業利益で75.5%と、消化は順調です。下期は新規装置で過去最高の売り上げを見込んでおり、達成に向け着実に取り組みます。本決算は4月30日に公表の予定です。