売上順調も減益、一時要因が重荷 今期は2ケタ増益を計画
最後に業績を確認しましょう。ヤマハ発動機は、アフターコロナの2021年12月期以降に売り上げは拡大しました。しかし、利益面は苦戦しています。
営業利益は2023年12月期まで3期連続の増益でした。好調な二輪車や円安に支えられ、過去最高を更新します。なお、純利益は投資有価証券やデリバティブの評価損などを主因に減益となりました。
直近2024年12月期は、各段階利益はいずれも減益です。二輪車の出荷台数の増加や円安で増収は確保したものの、営業利益は船外機や四輪バギーなどで販売が不振だったことや、販管費の増加や赤字事業の減損などから減少しました。
なお、2024年12月期の営業減益は一過性要因が約500億円を占めます。このはく落もあり、今期(2025年12月期)は大幅な増益の予想となっています。増益は、コア事業の増収や赤字事業の改善なども貢献する見込みです。
【ヤマハ発動機の業績予想(2025年12月期)】
・売上収益:2兆7000億円(+4.8%)
・営業利益:2300億円(+26.7%)
・純利益:1400億円(+29.5%)
※()は前期比
※2024年12月期時点における同社の予想
出所:ヤマハ発動機 決算短信
なお、今期の売上収益成長率および営業利益率は、先述の中期経営計画を下回る計画です。翌2026年12月期以降に成長を加速させ、巻き返しを図ります。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)