なぜ妻の方が基礎年金が多い? 夫が抱いた素朴な疑問
浩明さんは63歳になった誕生月に届いた「ねんきん定期便」で年金の受給見込額を確認します。「65歳から老齢基礎年金が年間76万円と老齢厚生年金が年間166万円、合わせて242万円くらいか……40年も勤めていれば、とりあえずこれくらいになるか」と思います。
夫婦で合計どれくらいになるかと思った浩明さんはその前に61歳の誕生日を迎えた麻子さんの定期便を見せてもらいます。それを見て、「麻子は63歳からの特別支給の老齢厚生年金が年間10万円、65歳からの老齢基礎年金が年間81万6000円、老齢厚生年金が年間13万円くらいか。自分と違い特別支給の老齢厚生年金があるけど、会社に勤めた期間が少ないから1年あたりの年金額も少ないんだな」と思いました。
しかし、浩明さんは麻子さんの年金の見込額を見て、「けど、老齢基礎年金は何で俺より多いんだ? 俺のほうが会社員で年金の保険料を長くたくさん払ってるはずなのに」「計算が間違っているわけではないだろうな?」と疑問が生じます。これに対して麻子さんは「知らないよ、そんなの。何かちゃんとした計算の根拠があるんじゃないの?」とよくわからない様子です。
年金事務所で判明した意外な事実
気になったことは解決させたい性格の浩明さん。2年後に年金生活も始まることから「この際確認しておきたい」と思い、麻子さんも連れて年金事務所へ向かいます。
早速、その窓口の職員に「自分は40年以上勤めてたくさん厚生年金の保険料を払った。妻はほとんど自分の扶養に入っていたのであまり保険料は払っていないはず。合計額で自分が多いのはわかるけど、基礎年金はどうして妻のほうが多いのか、どういう計算根拠になってるのかな」と尋ねます。
職員は「あー、浩明さんは22歳から厚生年金に加入していますが、麻子さんは18歳から厚生年金に加入しています。これが理由となっていますね」と言って、老齢基礎年金の計算方法を説明し始めました。
「高卒で働いたほうがむしろ多くなるというのかな?」と思った浩明さん、実際どのような計算方法となっているのでしょうか。
●浩明さんが抱いた疑問への答えは、後編【「ねんきん定期便」で発覚! 夫婦の年金額に“まさかの差”が生まれた驚きの理由とは?】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。