◆国内株インデックスに希望はあるのか?
2月のランキングで「日経225ノーロードオープン」や「日本株4.3倍ブル」など国内株インデックスの上昇を期待するファンドのランクアップが目立った。特に、「日本株4.3ブル」は、日々の日本株価の値動きに4.3倍の倍率で大きく動くように仕組まれたファンドで、株価が上昇する局面では短期間に大きな収益が期待されるが、下落するとそれだけ大きな値下がりのリスクがある。
実際に「楽天 日本株4.3ブル」の基準価額は、1月31日に2万5177円だったものが、その後の株価下落で2月28日には1万8629円に下落した。2月中に同ファンドを購入した投資家は月末時点では全て含み損を抱えたことになる。さらに、3月は一段安となり、3月7日時点で1万7761円だった。ブル型ファンドは投資タイミングをはかることが難しく、タイミングを間違えると短期間で大きなマイナス評価になってしまう。
ただ、国内株については、米国が2月まで史上最高値を更新し、欧州がそれを追いかけるように3月に史上最高値を更新するという動きの中で、2024年7月に日経平均株価で4万2200円台の史上最高値をつけてから2025年3月には3万7000円の大台を割り込んでしまった。高値から約13%の下落だ。それだけ米欧の株価に対する出遅れ感がある。
この株価が低迷していた間、国内企業の業績は落ち込んだというわけではない。国内がインフレ傾向になる中、この春も大手企業を中心に賃上げを予定するほど堅調な業績を残している。東証のPBR1倍割れ企業に対する対策要請の後、国内企業の株式価値を高めるための増配や自社株買いなどの動きは続いている。また、日銀の利上げ姿勢を背景に為替相場が円高方向に動き始めていることから、今後は海外株式投資に慎重になる投資家も増えてくると考えられる。その受け皿として、依然として出遅れ感が残っている国内株式が注目される可能性はある。2月の人気の勢いが続くものか注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩