成長事業「ソリューション事業」とは サービス型の収益を構築

理解を深めるため、事業をもう少し掘り下げましょう。ブリヂストンは成長事業としてソリューション事業に注力しています。2020年を「第三の創業」と銘打ち、タイヤとサービスを複合的に提供するソリューション企業を目指す方針を明らかにしました。

ソリューション事業は、車輛やタイヤの稼働データを取得し、摩耗予測やメンテナンスといったアフターサービスを提供するビジネスです。また、取得データはタイヤの販売や開発にも活用されます。ソリューション売上比率は、小売りタイヤを含め2024年12月期に30%へ達しました。

ブリヂストンのソリューション事業は大きく3つに分かれます。主に乗用車向けサービスの「小売サービスソリューション」、トラック・バスおよびスペシャリティ系タイヤ向けサービスの「タイヤセントリックソリューション」、そして運送事業者向けサービスの「モビリティソリューション」です。

うちタイヤセントリックソリューション(鉱山および航空機ソリューション)とモビリティソリューションは、「モビリティック事業(生産財系BtoBソリューション)」として戦略事業に据えられています。特にモビリティソリューションは高い成長を見込み、2026年までの3カ年の売上収益成長率は欧州(ウェブフリート)で45%増、北米(アズーガ)で140%増を計画します。

モビリティソリューションはM&Aを通じて強化してきました。2019年に蘭ウェブフリート・ソリューションズ(当時はトムトム・テレマティクス)、2021年には米アズーガを買収します。両社の契約台数は2024年末で130万台に達します。

モビリティソリューションは、タイヤやメンテナンスなども包括するパッケージプラン「フリートケア」への統合を図り、収益性の向上を目指します。