大型の自社株買いで株価反発 配当性向40%から50%へ

ブリヂストンの株価は2024年7月の上場来高値(7058円)から調整しています。8月には当期(2024年12月期)の業績予想を下方修正したこともあり、以降は右肩下がりの展開となりました。2024年は5340円で取引を終えます。

しかし2025年2月に本決算を公表すると、株価は一時6237円まで買われました。これは前営業日比で9%超の急騰です。同時に公表された自社株買いの規模が大きく(自己株式を除く発行済み株式数の最大11.0%)、投資家に好感されたと考えられます。

【ブリヂストンの株価チャート(過去5年間)】
・株価:5943円(2025年3月3日終値)

 
出所:Tradingview
 

本決算では新しい配当方針も公表されました。配当性向で50%を目安とする内容です。従来は40%が目安でした。今期(2025年12月期)の1株あたり配当金は、前期比20円増配となる230円を計画します。

【ブリヂストンの予想配当利回り(2025年12月期)】

・予想配当金:230円
・予想配当利回り:3.87%

出所:ブリヂストンホームページ

株式の配当金は、本来約2割の課税があります。しかし、NISAを通じて購入した株式なら配当金を非課税で受け取れます。

NISAの株式投資は、成長投資枠を通じ年240万円まで行えます。ブリヂストンの場合、足元の株価水準で400株まで投資できる計算です。計画に変更がなければ、総受取配当金は9万2000円となります。

ただし、ブリヂストンは今期に最終減益を予想しています。予想どおりなら最終減益は2期連続です。強化された株主還元は魅力的ですが、業績には不透明感があります。

配当金を重視した投資においても、業績は重要です。ブリヂストンの事業を整理し、見通しを探ってみましょう。