「老後の年金対策」を抑えて1位だった投資目的とは?

なぜ不動産投資を始めたのか。調査で最も回答率が高かったのは「節税」だった。

どういうことか仕組みを簡単に説明しよう。所得税や住民税の納税額は、収入から必要経費を差し引いた所得に税率を掛けて算出される。それに対し、条件にもよるが、不動産投資における物件購入費用は必要経費として扱われる。建物や設備などは経年劣化することから、取得費用は耐用年数で分割して必要経費とすることが可能だ(減価償却)。

その結果、耐用年数が経過するまでの間は所得を少なく申告できるため、所得税と住民税を軽減できるというわけだ。

日本の所得税は所得水準が高いほど税率も高い累進課税である。先ほど年収のボリュームゾーンだった2000万円台の場合、所得税率は40%に達する。高年収で税負担が重い人たちにとって、不動産投資のもつ節税効果は魅力的なのかもしれない。少なくとも株式など他の投資対象とは違う、不動産投資ならではのメリットとは言えるだろう。

次いで多いのは「老後の年金対策」だった。不動産の場合、家賃収入がメインになるケースもあるためか、年金代わりに考えている人がいるのかもしれない。

出所:GA technologies 「RENOSY 不動産投資顧客動向レポート 2025年1月」