「ルタオ」の菓子メーカー、時価総額トップクラス アメリカに初進出

まずは概要を解説します。

寿スピリッツは菓子の製造と販売を手掛ける企業です。1952年に鳥取県で創業しました。純粋持ち株会社制への移行に伴い、社名は2006年に寿製菓から寿スピリッツへ変更しています。

社名ではなくブランドでの展開が中心のため、一般の知名度は低いかもしれません。しかし、株式市場では主要銘柄の一つです。菓子メーカーではトップクラスの時価総額を持ちます。

【主な菓子メーカーの時価総額(2025年2月20日終値)】

・寿スピリッツ:3722億円
・カルビー:3561億円
・江崎グリコ:2923億円
・森永製菓:2125億円
※自己株式を除く

主なブランドは「ルタオ」や「ザ・メープルマニア」、「東京ミルクチーズ工場」などです。販売は小売りだけでなく、卸売りや通信販売も展開しています。それぞれの販売チャネルの比率は小売りが48.1%、卸売りが42.6%、通信販売が9.2%です(2024年3月期)。

事業は主に地域別の連結子会社で整理されています。「シュクレイ」は東京、「ケイシイシイ」は北海道、「寿製菓・但馬寿」は山陰、「九十九島グループ」は九州が中心です。また「販売子会社」はグループで製造した菓子の販売、「その他」は損害保険代理業などで構成されます。

【セグメント情報(2024年3月期)】

出所:寿スピリッツ 有価証券報告書
 

売り上げのほとんどは国内です。海外はアジア中心に展開していますが、2024年8月には「ルタオ」でアメリカ進出を果たしました。看板商品「ドゥーブルフロマージュ」や「小樽色内通り フロマージュ」などを投入し、新しい市場を開拓します。