2年目に突入した新NISA。すでに多くのかたがご存じのように、NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、「つみたて投資枠」ではその名の通り、投資信託の積立が基本。いっぽう「成長投資枠」では、個別株にも投資できるのが最大の違いといえるでしょう。

ファイナンシャルプランナーの村松祐子氏は「成長投資枠では自分が好きな企業に投資してみるのも方法のひとつ」と言います。何事も「楽しい」という気持ちがなければ続きません。自分の興味のある会社に投資すれば、企業分析や情報収集に積極的になれるかもしれません。

今回は、松村氏に成長投資枠で投資したい銘柄探しのヒントを紹介してもらいます。(全4回の1回目)

※本稿は、村松祐子著『新NISA 成長投資枠でお金を増やす!』(河出書房新社)の一部を抜粋・再編集したものです。掲載情報は書籍執筆時点に基づいています。

身近なモノやサービスが評価できる企業を探す

投資では「遠くのものは避けよ」といわれるように、私たちの暮らしに身近な生活必需品の企業を投資先として押さえておくのも一案です。生活必需品といえば、食品や医薬品、インフラである電力・ガス、鉄道、通信などの企業が該当します。物価が上昇する中、給与が増えなくても生活に必要なものは買うことになります。そのため景気の状況により企業の業績には大きな変動は生じにくいと考えられます。

このように景気動向に業績が左右されにくい銘柄のことをディフェンシブ(保守的)銘柄といいます。中でもトイレタリーの洗剤、歯ブラシ、芳香剤、紙おむつ、生理用品などの生活必需品は、2020年からのコロナ禍でもほぼ利益率が変わりませんでした。

日用品で最大手の花王(4452)は、トイレタリー国内首位、化粧品も大手です。消毒液などの衛生関連も好調で、独自の物流・販社システムを所有していることも特徴です。連続増配も維持しています。皆さんのご家庭にありそうなトイレタリーを中心とした生活必需品のメーカー群は、いずれも国内では誰もが知る商品を展開し、連続増配の実績があり業績予想も堅調です。

このようなディフェンシブ銘柄で「連続増配のある優良企業」への投資は、景気の影響を受けにくく株価下落時にも強いと考えられます。